2015.07.19

ハローワークのおとり求人問題

ハローワークの求人票で示された賃金や勤務時間などの労働条件が実態と異なるケースが増えているとして、いわゆるブラック企業の問題に取り組むＮＰＯ法人や弁護士らでつくる団体「ブラック企業対策プロジェクト」は2015年7月13日、厚生労働省に対策を講じるよう申し入れた、との新聞記事がありました。

申し入れは、求人条件と異なる長時間労働の末に事故で亡くなった東京都内の男性の事例がきっかけ。申し入れた団体はその後の記者会見で、「ハローワークの求人票の記載と実態が違うという相談が増えており、問題があるのは明らかだ」として 具体的には、労働条件が実態と異なる虚偽の求人への取締りを強めることや、問題があった企業の求人を一定期間受け付けない、などの対策を求めたとのことです。

このような、求人募集をする際に給与や休日、労働・社会保険加入の有無などに関して実際と異なる「魅力的な条件」で人を集める手法「おとり求人」は以前からかなり行われていました。

契約の時点で本人に説明して雇用契約書を締結していれば法的には問題はないのですが、応募した側からすれば「騙された」という想いは強いのでモチベーションは限りなく低下します。もちろん早期離職の原因になることも多いです。
そのため「低賃金で働く人の頭数だけは欲しい」という会社以外は採用や教育にかける時間と労力を考えると結局は無駄なコストになってしまいます。

厚労省の集計では、全国のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情は、2013年度に前年度比20.5％増の9380件にのぼった。このうちの3815件（41％）で賃金や休日取得などで求人票と実態が異なっており、ブラック企業が求人票を偽っているケースも含まれているとのことです。

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