2019.05.09
- 違法な残業が3割との報告
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違法な残業が3割
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厚生労働省は、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果をまとめました。
それによると、監督を行った事業場のうち67.3%に労働基準関係法令違反が認められたとのこと。
今回の監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に行ったものでした。
監督結果をみると、監督を行った8494事業場のうち、5714事業場に労働基準関係法令違反が認められました(違反率67.3%)。
主な違反内容をみると、違法な時間外・休日労働があったものが2802事業場(全体の33%)、賃金不払残業があったものが463事業場(同5.5%)、過重労働による健康障害防止措置が未実施のものが948事業場(同11.2%)となっています。
主な業種の違反率をみると、製造業71.9%、建設業64.7%、運輸交通業78.9%、商業64.8%、接客娯楽業67.8%となっています。
厚生労働省は、違反が認められた事業場に対しては、是正に向けた指導を行ったところであり、今後も、長時間労働の是正に向けた取組みを積極的に行っていくこととしています。
また今回の調査で興味深いものとして「労働時間の管理方法」の調査結果があります。
監督指導を実施した事業場において、労働時間の管理方法を確認したところ、780事業 場で使用者が自ら現認することにより確認し、3057事業場でタイムカードを基礎に確認 し、1712事業場でICカード、IDカードを基礎に確認し、2791事業場で自己申告制によ り確認し、始業・終業時刻等を記録していた、との報告がされています。
自己申告制による勤怠管理がタイムカード管理とほぼ同数であり、小規模の事業所ではまだまだタイムカード等の機械の導入までにはいたっていないようです。
自己申告制の例としては、エクセル等で、各従業員が、出社時間、退社時間等自分の労働時間を自分で記入する方法などが考えられます。ただし注意すべき点として本来は単純な自己申告制は勤怠管理の方法として認められません。
自己申告制では、従業員が実際の労働時間よりも少なく申告せざるを得ないような場合が考えられるとされているためです。そのため下記の条件を満たすことが自己申告制でもOKな条件とされていまます。
①自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づく措置等について、十分な説明を行うこと
②自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること
③使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労働者等において慣習的に行われていないか確認すること
長時間労働を是正することは、今後、企業の社会的責務であると考えられています。
その中で、従業員の労働時間を適切に把握し、正しく勤怠管理を行うことは今まで以上に重要となってきます。
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