2016.05.16
- 定年後再雇用の賃金低下は不当なのか
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定年後再雇用の賃金低下は不当
労働環境をより良くすれば会社が元気になります。
青梅市・立川市・八王子市を中心に多摩エリアで活動する
社会保険労務士事務所 ツノダ人事多摩オフィスの角田です。
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定年後再雇用の賃金低下は不当の判決
同一労働同一賃金の流れか・・・・
【以下は報道からの引用】
定年後に嘱託社員として再雇用されたトラックの運転手が、待遇が不当だと訴えた裁判で、東京地方裁判所は「正社員と同一の仕事なのに賃金に差があるのは違法だ」として、会社に対して正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
横浜市に本社がある「長澤運輸」を定年退職したあと後、嘱託社員として再雇用されたトラックの運転手の男性3人は、「賃金を3割前後も下げられた」として会社に対して裁判を起こしました。会社側は「定年後も同じ賃金で再雇用する義務はない」などと反論していました。
13日の判決で東京地方裁判所の佐々木宗啓裁判長は、「仕事の内容は正社員と同一と認められ、賃金に差があるのは違法だ」と指摘しました。そのうえで、「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」として、会社に対して正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
3人の弁護団は、運送業界では同じような形で再雇用している会社が少なくないとしたうえで、「格差の是正に向けて大きな影響力を持つ画期的な判決だ」と評価しています。原告の1人で東京の鈴木三成さん(62)は「同じような立場の人たちと格差の是正に向けて頑張っていきたい」と話しています。
一方、長澤運輸は「判決についてはコメントしない」としています。
以上 2016/05/13 NHKニュースより引用
弁護団も「画期的な判決」とコメントしているようにこれまでは定年後の再雇用については原則として賃金の低下は当然。4割・5割減くらいまでならば許容範囲というのがこれまでの判決からの通例として解釈されており、多くの企業が定年時の70%~50%クラスへの賃金の低下を実施してきました。
ただし政府の「同一労働同一賃金」の流れを汲みとったのか、今回は企業にとっては大変注目すべき判決となりました。
ポイントは判決でも述べられているように「仕事の内容は正社員と同一と認められ、賃金に差があるのは違法だ」の部分であり、まさに同一労働同一賃金という部分です。
特に今回は運送トラックの運転手ということで、「一人で運転する」など基本的には正社員時代も、再雇用後も ○仕事内容 ○裁量 ○責任 ○勤務時間 などに差がつけられない、差の無い業務に従事していました。
このように、今後、再雇用において賃金を低下させる場合には上記 ○仕事内容 ○裁量 ○責任 ○勤務時間 などの各項目について、正社員と再雇用社員では、どのような差異があり、それがどのように賃金低下に結び付くのかを明確に説明できる社内ルールが必要になってくるでしょう。
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