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労働問題

新型コロナが5類になりました。感染者を会社命令で出勤停止にできますか?

5類に該当する新型コロナや季節性のインフルエンザの場合は会社命令で出勤停止とした場合は、会社都合による休業のため6割の賃金支給が必要となります。

Q、新型コロナが5類になりましたが感染したものを会社命令で出勤停止にできますか?

A、5類に該当する新型コロナや季節性のインフルエンザの場合は会社命令で出勤停止とした場合は、会社都合による休業のため6割の賃金支給が必要となります。

令和5年の5月8日より新型コロナ感染症もインフルエンザ、それも通常のインフルエンザ(季節性インフルエンザ:香港B型等の名称でよばれるタイプ)と同様の感染症分類でいうところの5類になりました。それでも新型コロナの感染の恐れが無くなったわけではありません。新型コロナ(季節性インフルエンザも含む)にかかった社員が出勤しようとする場合、他の社員への感染を予防するために出勤停止を命じたいこともあると思います。

この場合、労働安全衛生法にも
労働安全衛生法(病者の就業禁止)
第68条 事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。

との定めがあり、他の社員の健康を守るためにも就業を禁止するこことは可能です。
この場合は就業規則等の規程として定めれば良いわけです。

本人が自分から休みを希望したり、有給休暇を使用してくれるのであれば何も問題は無いのですが、問題になるのは、本人は「大丈夫です。出勤します」「溜まっている仕事があるので無理してでも出勤します」と言うのに会社が「他の社員に感染する可能性があるから休みなさい」と命じた場合です。ではこの場合の給与の支給はどうなるのでしょうか?
この場合は会社都合による休業として平均賃金の6割の支給が必要となります。
ただしインフルエンザでも新型インフルエンザ・鳥インフルエンザの場合は会社が休むように命じた場合でも給与の支給の必要ありません。

これはそれぞれの病気の感染症としての分類が違うからです。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の中の5つの分類では
・1類感染症:エボラ出血熱、SARS、痘そう、ペスト等
・2類感染症:急性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、鳥インフルエンザ(H5N1型)等
・3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 等
・別枠 新型インフルエンザ等の特定の感染症
ここまでが感染症法第18条により就業制限措置の対象となる疾病であり、この病気にかかった場合はそもそも「労働してはいけない」と法律により制限されているため、会社が給与を支払う必要もありません。

・4類感染症:E型肝炎、A型肝炎、鳥インフルエンザ(H5N1型を除く)、マラリア等
・5類感染症:今回の新型コロナウイルス、季節性インフルエンザ、ウイルス性肝炎、後天性免疫不全症候群等
4類と5類に関しては労働安全衛生規則61条において就業禁止の対象となる「伝染性の疾病その他の疾病」に該当します。

しかし、4類・5類は感染症法では就業制限措置の対象となる疾病とはされていません。
そのため「行政解釈」として、季節性インフルエンザについては厚生労働省の定める「感染症法」によって予防の措置がとられ、その中でも就業制限の対象となっていないため、感染症としては就業規則等の会社のルールにより出勤停止を命じることは可能だが、その場合はあくまで会社都合での休業となるため平均賃金の6割の支給が必要となります。
ただし感染の恐れのある病気の場合はやはり他の従業員としては無理に出社されても迷惑なのが正直なところでしょう。厚生労働省でも「発症日を0日目として5日間は外出を控え」「10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用」等の対応を求めています。新型コロナ感染症にも関わらず出勤しようとする社員がいる場合はそれらの点を含め話し合い、自ら療養に専念してもらうのが良いでしょう。

もちろん新型コロナでも、季節性のインフルエンザでも、医師や産業医が出勤停止と診断した場合は、医療の専門家である医師の指示による休業となり会社都合ではないため、給与の支払いの義務は生じません。

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