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休職から復職する社員への業務軽減は必要か

近年の裁判例は、完全に回復していない場合でも、勤務時間短縮や配置転換等、会社に配慮を求める傾向があります。会社の規模等にもよりますが検討は必要でしょう。

Q、休職から復職する社員への業務軽減は必要か

A、近年の裁判例は、完全に回復していない場合でも、勤務時間の短縮や配置転換等、会社に一定の配慮を求める傾向があります

私傷病による休職制度は、労働者が業務以外の理由で傷病にかかり、その療養のために労務の提供ができなくなった場合に、従業員の地位を維持したまま、一定期間就労を免除するものです。

休職に関しては、法律上の規定はなく、就業規則等で定められることになりますので、企業ごとに取扱いもさまざまです。労働者の事情による休職ですから、賃金の補償がないことや、休職期間が満了しても復職の見込みが立たなければ自然退職または解雇となることもやむを得ないことと言えるでしょう。

多くの会社では、就業規則等において私傷病による休職についての定めがある場合、「休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。」などとされていることが一般的です。

 しかし、復職の要件である治癒の程度については、休職期間満了時に従前の職務を支障なく行える状態になくても、当初は軽易業務に就かせればほどなく通常業務へ復帰できるという回復ぶりである場合には、短期の復帰準備期間の提供や教育的措置を取るなど使用者に一定の配慮を求めた裁判例もあります。

●エールフランス事件(東京地裁 昭和59 判決)
 後遺症の回復の見通しについての調査をすることなく、また、当分の間は一部の業務を行わせながら徐々に通常勤務に復させていく配慮を全く考慮することなく、復職不可能と判断した使用者の措置は妥当なものとは認められず、休職期間満了による退職取扱いが無効

●東海旅客鉄道事件(大阪地裁 平成11 判決)
 労働者が職種や業務内容を限定せずに雇用契約を締結している場合においては、休職前の業務について労務の提供が十全にはできないとしても、その能力、経験、地位、使用者の規模や業種、その社員の配置や異動の実情、難易等を考慮して、配置替え等により現実に配置可能な業務の有無を検討すべきであるとしました。

ある特定の職種としての採用で、限定合意がある場合は、原則として、「治癒」とは限定された職種を従前どおりに遂行できることを意味します。

しかし、最近の裁判例の傾向からすれば、休職前と完全に同等の労務提供・労働条件での勤務ができなかったとしても、一定の配慮や措置の下、復職を認めるものも多くあります。

例えば、正社員としての雇用契約である場合、通常は職種の限定はされていないわけですから、会社の規模や業種にもよりますが、社内の他の部署への事務職や内勤職への配置転換などを検討したか?(検討した結果、会社の規模などにより配置転換等が困難な場合はもちろんありますが、検討はする必要があるでしょう。)などの会社側の配慮が必要とされています。

休職制度は労働基準法や労働契約法上における明確な規制が存在しない分、就業規則や労働者との個別合意によって、休職期間中の労働条件等について明確に定めておく必要があります。

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