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同一労働同一賃金 正社員にのみの住宅手当、家族手当は?

住宅手当、家族手当の支給の目的を考え、転勤の有無や長期雇用による正社員のキャリア形成なども考慮するため一概には言えません。

Q、同一労働同一賃金 正社員にのみの住宅手当、家族手当は?

A、住宅手当、家族手当の支給の目的を考え、転勤の有無や長期雇用による正社員のキャリア形成なども考慮するため一概には言えません。

同一労働同一賃金の考え方で重要なことは同一の労働であるにも関わらず、「契約社員だから」「パートだから」という雇用形態の違いだけで不利益な待遇となることは認めない、という点です。
契約社員やパートタイマーなどの有期雇用労働者と正社員が同一業務を行っているのであれば、各種手当で差を付けることは原則として認められないことになります。

それでは具体的に「住宅手当」や「家族手当」については「同一労働同一賃金ガイドライン」ではどのように述べているのでしょうか。

○同一労働同一賃金ガイドライン

残念ながら「同一労働同一賃金ガイドライン」においては住宅手当、家族手当についての記載はなく単身赴任手当のも記載されています。内容としましては

(9)単身赴任手当
通常の労働者と同一の支給要件を満たす短時間・有期雇用労働者には、 通常の労働者と同一の単身赴任手当を支給しなければならない。

一般的には単身赴任時の手当であり、「別居手当」としている企業もあります。どちらの名称でも「社命での転勤によりやむを得ず家族と別居しなければならなくなったため」という理由で支給されます。理由としては子供の学校や受験、持ち家、老親や病人の看病や介護などが理由で家族での転居が困難な場合です。

「同一労働同一賃金ガイドライン」ではこのような意味合いでの単身赴任手当については同じような理由での転勤となった場合には正社員のみでなく、短時間・有期雇用労働者にも支払いなさい、ということになります。

では「同一労働同一賃金ガイドライン」に記載のない住宅手当、家族手当はどう考えれば良いのでしょうか?

○住宅手当

住宅手当については、正社員にのみ転勤の可能性があり、有期雇用である契約社員やパートタイマーには転勤が予定されていないような場合には、差異を設けることは可能です。

その一方で、他に事業所や支店が無いなど、また実際に転勤した人が存在しないなど、正社員にも、有期雇用である契約社員やパートタイマーにも転勤が予定されていない場合にも関わらず、正社員にのみ住宅手当を支給することは不合理とされるでしょう。

これはハマキョウレックス事件 「平成30年6月1日 最高裁」においても
支給要件 労働者の住宅に要する費用を補助する趣旨で支給。
判断   正社員は転居を伴う配転が予定されており、契約社員よりも住宅に要する費用が多額となる可能性がある。
として最高裁でもこのような理由があればOKとの判断がされています。


○家族手当・扶養手当

家族手当や扶養手当については、有為な人材の獲得や定着を図る目的で正社員にのみ支給することは、不合理でないと判断されたものがあります

上記の家族手当については、実は判決が二転三転しており、日本郵便の契約社員が起こした2018年2月の裁判で大阪地裁「家族を養う負担は正社員も契約社員も変わらない」として、家族手当を契約社員に支給しないことは「不合理である」とされました。

しかし、その後2019年1月の大阪高裁での裁判では逆に「契約社員は原則として短期雇用が前提であり。有為な人材の獲得や定着を図るため長期雇用を前提とした正社員とは違う」
として、「不合理ではない」という判断となりました。

ただし今後また他の裁判では一転するかもしれません。


今回の家族手当や住宅手当は個人の生活環境に対する『属人的手当』であり、仕事や能力評価によるものではありません。
現在、どの会社においても独身のままでいる人も、また子供がいない家庭も増えています。
そのためこれらの手当の廃止を検討している会社も少なくありません。
もちろんいきなり来月から廃止とはできませんので、時間をかけて段階的に削減していく激変緩和措置や基本給への組み入れ、子供のみを対象とした部分は残すなど会社と従業員の双方が納得いく形での廃止方法が必要となってきます。

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