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有期雇用の従業員にも定年年齢を設けたい

有期雇用者はそもそも1年契約などの期間で雇用が終了することが前提です。定年年齢などを設けることで長期雇用前提と受け止められてしまう恐れがあります

Q、有期雇用の従業員にも定年年齢を設けたい

A、有期雇用者についてはそもそも1年契約などの期間で雇用が終了することが前提です。定年年齢などを設けることで長期雇用前提と受け止められてしまう恐れがあります。

定年年齢、定年制度とは、一定の年齢に達した労働者を、各企業で定めている就業規則や労働協約によって雇用契約を自動的に終了させ退職させる制度のことで、前提としては日本的な労働慣行のひとつと呼ばれる「終身雇用制度」があります。

「終身雇用制度」では一定の年齢を設定しないと無限大に雇用を継続することになってしまい、辞めてもらうには自己都合が解雇などに頼ることになってしまいます。そのためあらかじめ就業規則などで年齢を設定し、その年齢になれば「自然退職」とするための制度が定年制度です。

厚労省の平成29年の調査では定年制がある企業のうち一律に定年制を定めている企業は97.8%で、そのうち定年を60歳とする企業が79.3%、65歳とする企業が16.4%となっています。

では1年契約や6カ月契約の有期雇用の契約社員やパートタイマーにも定年年齢を設定した方が良いのでしょうか?

厚生労働省のQ&Aではこの点について

「有期契約労働者に関して、就業規則等に一定の年齢に達した日以後は契約の更新をしない旨の定めをしている場合は、有期労働契約であっても反復継続して契約を更新することが前提となっていることが多いと考えられ、反復継続して契約の更新がなされているときには、期間の定めのない雇用とみなされることがあります。」

とあります。これは1年契約や6カ月契約などの一定期間を定めた有期雇用の労働者のはずなのに、定年年齢を設定しているということは、定年年齢までは継続して雇用しようとすることが既に前提となっている、と解釈される可能性が高いということです。

この点について契約社員と正社員の賃金格差についての裁判でも
「契約社員は原則として1年ごとに契約が更新され、定年は65歳と定められており、現に原告契約社員らの中には定年まで10年前後の長期間にわたって勤務した者もいる」
という理由で、少なくとも長年の勤務に対する功労褒賞の性格を有する部分にかかる退職金について契約社員には不支給とすることは不合理であるとの判例もあります。
株式会社メトロコマース事件 東京高裁平成31年

以上のことから、有期雇用の従業員について定年年齢を設定することは、長期雇用が前提である、とされる可能性があり、これは契約期間満了での「雇止め」や今後の「同一労働同一賃金」の点からも誤解を招く表現となるため避けた方が良いと思われます。

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