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就業規則

その2 就業規則で定める懲戒処分にはどのような種類がありますか

前回に続き、懲戒処分のなかの「降格」「諭旨解雇」「懲戒解雇」に関して説明します。

Q、(続き)現在、就業規則では「懲戒処分にする」とだけ規程していますが、具体的にはどのような処分をするべきなのでしょうか

A、前回に続き、懲戒処分のなかの「降格」「諭旨解雇」「懲戒解雇」に関して説明します。

前回に続いて懲戒処分の種類についてです。
まず懲戒処分の基本的なルールとして
●就業規則に懲戒処分に関する規定がないと、会社は懲戒処分を行うことができない。
●就業規則の作成義務がない10人未満の会社も、就業規則を作成して懲戒に関する規定を定めておく必要がある。
と言う点を踏まえたうえで懲戒処分の種類が大きく分けて7つ。軽い方から
①「戒告」
②「けん責」
③「減給」
④「出勤停止」
⑤「降格」
⑥「諭旨解雇」
⑦「懲戒解雇」
のうち前回は①「戒告」~④「出勤停止」まで説明しましたので、今回は⑤「降格」~⑦「懲戒解雇」を説明します。

では具体的に⑤「降格」 ⑥「諭旨解雇」 ⑦「懲戒解雇」どのような処分なのでしょうか

⑤「降格」
「降格」によって下がるものは単純に給料金額そのものではありません。主に、
●社員等級2等級など資格や職務・職能などに関する「等級」
●店長や課長・部長といった「役職」
のような「等級」や「役職」が下がったり、変更になることで、その下がった「等級」「役職」手当の額に、結果的に「給与が下がる」ということです。
店長手当5万円 であった人が店長から副店長に降格になったことで 副店長手当は2万円 なので結果として3万円マイナスとなった、ということです。給料を下げるのではなく地位を下げた結果として給料が下がった、という形です。

⑥「諭旨解雇」
「諭旨退職」というのは、社員本人からの自発的な退職をうながす懲戒処分です。 「自発的」なので最終的な判断を行うのは社員の側です。
諭旨退職は次のようなケースの場合に規程されていることがほとんどです。
●「懲戒解雇」に相当するものである
●本人も非常に反省している
●情状酌量の余地があると判断
こうした場合に、いきなり懲戒解雇にするのではなく、社員本人に「自分から退職願を提出して退職する」という選択肢を提案する形です。非常に日本的な考え方なのかもしれません。
 ただし、単に情緒的な部分だけでなく多くの会社では懲戒解雇の場合は退職金が不支給や減額されますが、諭旨解雇の場合はあくまで自己都合退職になるわけですから退職金も支給されます。
諭旨解雇に対する社員本人の結論ですが、「1週間以内に」と申し渡しておき、本人が諭旨解雇を承諾しない場合は⑦「懲戒解雇」処分とします。

⑦「懲戒解雇」
懲戒解雇の有効・無効を争う裁判などにも発展しかねない、懲戒解雇処分。
ポイントとしては
●「何をしたら、懲戒解雇」という点を事前に就業規則に定めておく必要がある。
という点です。
ただしいくら定めてあっても「遅刻をしたら即解雇」などは認められません
●懲戒処分になる行為の重さと処分内容が釣り合っていること。
も重要となります。

また懲戒解雇でも当日に即解雇というのは無効となります。
・30日前に解雇予告をする
・即時解雇する場合には平均賃金30日分を支払う
のどちらかの方法をとる必要があります。


①「戒告」②「けん責」~⑦「懲戒解雇」まで懲戒処分の種類を説明してきましたが、懲戒事由として就業規則に記載がない行為については 懲戒処分を行うことはできません。
どのような行為が懲戒処分にふさわしいのかわからない、などの場合に参考になるのは自社の同じ就業規則の中にある「服務規律」に関する事項です。服務規律違反が典型的な懲戒事由になるためです。一度、服務規律も含めて見直しをしてみても良い時期に来ているのかもしれませんね。

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