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女性社員から管理職からのセクハラの訴え。管理職の懲戒解雇は可能か。

女性社員からの訴えだけで加害者の管理職を懲戒解雇とするのは不適切です。まずは双方からの話を聞き事実を確認するところからスタートしましょう。

Q、女性社員から管理職からのセクハラの訴え。管理職の懲戒解雇は可能か。

A、女性社員からの訴えだけで懲戒解雇とするのは不適切です。まずは双方からの話を聞き事実を確認するところからスタートしましょう。

懲戒解雇は、懲戒処分の種類の中でも一番重い処分であって、相当悪質な理由がなければ認められないものです。懲戒解雇がこのように重い処分であることから、通常は、懲戒解雇の前に被害者・加害者の双方から事情聴取をし、言い分を聞くのが一般的ですし、これをせずに懲戒解雇としてしまうと、無効となる可能性が高まります。

特に、セクハラのように、事実があったのかどうかが難しい問題の場合、会社としてはしっかりと双方から事情聴取をして、セクハラが実際にあったのかを検討する必要があります。

一般的にセクハラとは「職場内で行われる相手方の意に反する性的言動」と定義されています。職場内で行われることが通常ですが、会社の飲み会や二次会、出張先などで行われたとしても、業務に関係するものであれば「職場内」とされセクハラとなります。

セクハラを理由とする懲戒解雇の効力を判断するにあたって、考慮される事情は以下のとおりです。
○セクハラを行った者の職場での地位、権限
○セクハラ行為の内容、程度
○触った部位、触り方、触った時間
○セクハラを行った者の過去の処分歴(過去にも他の社員からセクハラの訴えがあった等)
○セクハラを行った者の反省の態度
○被害者の被害感情
○会社がセクハラ防止に努めていたかどうか
特に、管理職によるセクハラは、その地位を利用して反撃できない行為であり悪質性が高いと考えられます。
また、セクハラと一口にいってもその程度は様々であり、セクハラ行為の違法性の程度、悪質性の程度が、懲戒処分(解雇)の有効性を判断するにあたって最も重要となってきます。

たとえば、相手の意思に反して肉体関係を強要したり、服の中に手を入れて触ったりするなどの場合には、強姦や強制わいせつなどの刑法違反となるような行為です。違法性、悪質性の程度が相当高度ですから、懲戒解雇の処分として問題ないでしょう。

また、相手の意思に反して肩をもむ、腰に手をまわすなど服の上から体を触るような行為では、すぐさま刑法に違反するわけではないけれども、この場合には、行為の回数、動機、程度、処分歴などを考慮して、懲戒解雇されるのかどうかを判断していくこととなります。ただしこのレベルですと、のような場合には、より軽い懲戒処分(たとえば出勤停止、譴責、戒告など)からスタートで今後の様子を見ることが理想です。

しかし、女性に対して差別的な扱いをする(コピー取り、お茶くみを延々とやらせる)、差別的な呼称で呼ぶ(ちゃん付けなど)、卑猥な話を聞こえるようにする、などのセクハラ行為の訴えがあった場合には、懲戒解雇というわけにはいきません。まずは書面による注意・業務指導という対応、または、ある程度の処分が必要ということであればけん責、戒告などの懲戒処分が対象となります。

処分の目安としまして
○職場内(職場の飲み会なども含む)における言葉によるセクハラで一時的なものの場合
「戒告・けん責」「減給」

○言葉によるセクハラであっても、管理職など責任のある立場の者が長期にわたり繰り返しセクハラ発言をして職場環境を悪化させたような場合
「出勤停止」「降格処分」

○言葉によるセクハラで、過去に一度懲戒処分を受けた後もセクハラ発言を繰り返し、再度の懲戒処分を行う場合
「出勤停止」「降格処分」または「諭旨解雇」「懲戒解雇」

○胸を触った、無理やりキスをしたなどの、強制わいせつ的なセクハラ行為
「諭旨解雇」「懲戒解雇」
という形でセクハラの程度・頻度で重くなる形です。

また懲戒解雇が妥当との判断が出たとしても、「懲戒解雇」は一番重い処分ですから、就業規則に決められた手続きがとられているか(弁明の機会など)を慎重にチェックしましょう。

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